発明と工業化

採血練習キットsensitiv® 発明と工業化


社会的ニーズ

厚生労働省より2025年に高齢化医療需要のピークを迎え約22~36万人の看護師が不足と警鐘が鳴らされている。潜在看護師が現場復帰するにあたり注射手技が大きな障壁である。注射は、医師や看護師などの医療関係者にとって、必要不可欠の技術でありその技量不足は、直ちに看者に苦痛を与えるものである。ところが、注射技術の向上は、従来医療関係者各自の経験の積み重ねに依存するところが大きく、これまでには真に効果的な訓練を行なう注射練習具がなかった。また、既存の器具は非常に大掛かりなもので、持ち運びが不便な上に準備・片付けに時間がかかり、そのため穿刺(せんし)の手技指導の時間が十分に取れないという声が教育関係者から多く聞かれた。人体に近い感触のモデルで穿刺手技を学べれば助かるというニーズが潜在的にあり、より人体に近い感触が熱望されていた。

従来の採血練習

・模擬血管が固められた樹脂の中に埋め込まれており位置の変更ができないため同じ場所を何度も穿刺(せんし)し針穴が開き模擬血液漏れを起こす。

・駆血帯を巻く手技をおこなっても模擬血管は人体と同じように怒張が再現できない。

・実際の大きさの腕を模擬しているため外観が大きくなり運搬、保管場所に困る。

・実習を行う上で大半は電力、水道が必要となる。準備片付けに時間を要し教員、教育係にかなりの負担になっている。

・人体モデルという型のみが優先され、人体に近い感触が再現されていないため、学びが十分でなくなる。

効果

看護学生、新人看護師が手軽に練習する機会が増え自信を持って患者に接する事ができるようになったという声が多い。また看護協会と協力し2025年問題に対応すべく潜在看護師を一人でも多く現場に復帰できる練習キットとして使用され高い評価を受けている。実績は本体2,394台、模擬血管102,762本出荷、売上は71,731千円となる。主な納入先は大学21ヶ所、看護学校24ヶ所、看護協会、24ヶ所、病院154ヶ所、他合計210ヶ所となり更に増えている。