陽圧ロックとは

陽圧ロックとは

シリンジを取り外す際、先端部分の容量分の血液逆流が生じ、血栓を形成します。 陽圧ロックはこの血液逆流を防ぐために行います。

1⃣必要物品
手袋、生理食塩液、アルコール綿

2⃣方法
①静脈注射終了後、患者にヘパリンロック/生食ロックの説明を行う
②アルコール綿で注入口を消毒する
③生理食塩液のシリンジを注入口に接続する
④生理食塩液を注入し、ルート内の薬液を流す。空気が入らないよう注意する
⑤シリンジ内に生理食塩液が0.5~1mLになったら、注入しながらワンタッチクレンメを閉じる(陽圧ロック)。 その後、シリンジを外す
⑥ルートをガーゼで包み、ネット包帯などで固定する
※ロック溶液量は、カテーテルとそれに接続した器具の用量の2倍が目安となる。
 ロック溶液量=(カテーテルの容量+付属器具の容量)×2

注入に抵抗を感じたら、カテーテル内の血液凝固が進み、血栓が形成されている可能性があります。
無理にシリンジを押すと血栓が血管内に押し込まれてしまうので、まず、ワンタッチクレンメの開閉、 三方活栓の向き、ルートや留置針に屈曲がないことを確認します。
その後、シリンジを引いて脱血できるかどうかを確認します。シリンジを押すことも引くこともできなければ、 ルート閉塞の可能性があるため、抜去も検討します。

【ヘパリンロックと生食ロックの比較】
・ヘパリンロック  
 メリット:血栓形成防止効果がある  
  デメリット:血小板減少症、HIT(ヘパリン誘発性血小板減少症)、出血のリスクがある。
       ヘパリンと配合禁忌の薬剤があるため、事前に生理食塩液でルート内の薬剤を流す必要がある

・生食ロック  
  メリット:溶液に伴う合併症がない  
  デメリット:ヘパリンに比べ、カテーテル内の血栓形成がみられる

IVナース認定プログラム
技能認定テキスト
編者:京都大学医学部付属病院看護部
発行人:中村雅彦
発行所:株式会社サイオ出版
2019年4月12日第1版第2刷発行
P104.105参照
採血練習キットsensitiv®Ⅳ(センシティブ)を用いて
陽圧ロック側注の練習ができます!

<採血練習キットsensitiv®Ⅳ使用による練習手順>

1.準備
2.穿刺
3.点滴セット接続
4.逆血
5.陽圧ロック/生食ロック
6.滴下
7.側注

用意するもの

・採血練習キットsensitiv®Ⅳ本体

・滴下採血バックロング

・滴下用排液チューブ

※滴下用ペットボトルは市販のペットボトルをご使用いただけます
※模擬血液バック(滴下採血バックロング)は本体に付属しておりません
※手袋、注射器、注射針、駆血帯、模擬血液バック、滴下採血バックロング、模擬皮膚カバー(3mm、5mm)およびドレッシング材対応、三方活栓、生食ロック、ドレッシング材は本体に含まれません。
※ドレッシング材をご使用の場合は、ドレッシング材対応タイプの模擬皮膚カバーのご使用をお願いいたします。

1.準備

まず採血練習キットsensitiv®Ⅳ本体のロック受具を手前に引き、模擬皮膚カバーを開けます 。次に、滴下採血バックロングの封を開け、突起が出ている面を下側にして、血管のズレを防止する為に血管の端を本体スリットより出し、模擬皮膚カバーを閉めます
駆血帯は、採血練習キットsensitiv®Ⅳ本体の下側を通し、ロゴの上で締めます。駆血帯を締めると模擬が怒張します

※この時、滴下採血バックロングと滴下用排液チューブのコネクター、排液ボトルの接続をお願いいたします。 また、滴下用排液チューブのクレンメは閉じた状態にて接続をお願いいたします。

<キットsensitiv®の状態>
滴下採血バックロングの突起が出ている面を下側にセットすることで、模擬血管が本体にしっかりとフィットします また、本体スリットより模擬血管の端を出すことでズレ落ちを防止します

駆血帯をロゴの上で締めることにより、模擬血管に圧がかかります 駆血帯の巻き方によって、怒張具合が変化します

2.穿刺

血管の走行を確認し、穿刺部位を決定します

消毒綿で中心から円を描くように消毒を行います
針を取り出し針の切面を確認します
消毒薬が完全に乾燥したのを確認します
利き手で静脈留置針を持ち、反対側の母指で刺入部の皮膚を伸展させ血管を固定します
針先面を上にして皮膚に対して約30度の角度で刺入します

血液の逆流を確認したら角度を下げて3~5mm針を挿入します
内針を固定し外針だけを血管内に押し進めます 外針を挿入したら駆血帯を外します
内針をまっすぐ抜きます 針の安全装置を作動させ速やかに廃棄容器に捨てます

模擬血管を曲げると手技が難しくなります

消毒後、模擬皮膚部が30秒間膨らみ元の状態に戻ります これは消毒が乾くまでの時間と同様です。その後、穿刺を行います

3.点滴セット接続

延長チューブを接続します

4.逆血

シリンジの内筒を引き、逆血を確かめます

このとき、模擬血管内の模擬血液が上がってきます

逆血を血管内にゆっくりと戻します
針の刺入部をテープで固定します

チューブはループにし固定します

ドレッシング材を貼り付ける際は、ドレッシング材対応タイプの模擬皮膚カバーをご使用下さい 貼りやすく、また剥がしやすいです

輸液をすぐにつなぐ場合は接続します
すぐに用いない場合は陽圧ロックを行い、シリンジを外します
テープ固定が終わったら滴下の練習もしくはロックの練習ができます
その際は滴下用排液チューブのクレンメを開けます

滴下用排液チューブに付いているクレンメを開けます そうすると滴下採血バックロングと滴下用排液チューブが繋がります

5.陽圧ロック/生食ロック

陽圧ロックをする場合は、シリンジを押し込みながら三方活栓のコックを閉めます

模擬血液バックが少し膨らんだ状態となります

6.滴下

逆血の確認

点滴セット接続

滴下

滴下を行うと、滴下用排液チューブから模擬血液が滴下用排液ボトルに流れてきます

7.側注

接続チューブのクレンメを開けます
三方活栓を消毒用綿で消毒し、薬剤を接続し、注入速度指示を確認し、注入を始めます
シリンジのメモリを確認しながら薬液を注入します

注入をはじめると、模擬血液バックが少し膨らんだ状態となります 滴下用排液ボトルに液が流れてこない場合、注入ができない場合は、排液用チューブにねじれがないかを確認ください チューブがねじれて、液が流れない場合がございます

動画での確認はこちら
・sensitiv(R)IVでの点滴静脈内注射の練習
https://www.youtube.com/watch?v=rnYN0WuABTA&t=2s


基本的な使い方はこちら
・sensitiv(R)Ⅳについて
https://www.youtube.com/watch?v=BOvmvbkdySw&t=166s