お知らせ

診療放射線技師法 改正

放射線技師だけで造影剤検査可能
タスクシフト推進
静脈路確保から造影剤注入まで行うことで医師・看護師の負担軽減
CT・MRI検査の造影剤注入時の検査効率向上へ

目次
1. 診療放射線技師法改正の概要と目的

2. 改正により拡大された業務範囲とは

3. 新たな業務を行うための要件とは

4. 現状の課題と必要な取り組み

1.診療放射線技師法改正の概要と目的

2021年5月21日に
「良質かつ適切な医療を効率的に提供する体制の確保を推進するための医療法等の一部を改正する法律案」が成立しました。
これには診療放射線技師法の改正も含まれており上記法律案の成立により、2021年10月1日より新たな診療放射線技師法が施行されました。

この法案の目的は大きく3つです。

  1. 医師の働き方改革
  2. 各医療関係職種の専門性の活用
  3. 地域の実情に応じた医療提供体制の確保

つまり、

2.改正により拡大された業務範囲とは

2021年10月1日より新たな診療放射線技師法施行により、「各医療関係職種の専門性の活用」の中で診療放射線技師の業務範囲の見直しが行われました。その内容がこちらです。

【診療放射線技師の新たな業務内容】
1. 造影剤を使用した検査やRI検査のために、静脈路を確保する行為、RI検査医薬品の投与が終了した後に抜針及び止血を行う行為
2. RI検査のために、RI検査医薬品を注入するための装置を接続し、当該装置を操作する行為
3. 動脈路に造影剤注入装置を接続する行為(動脈路確保のためのものを除く)、動脈に造影剤を投与するために当該造影剤注入装置を操作する行為
4. 下部消化管検査(CT コロノグラフィ検査を含む)のため、注入した造影剤及び空気を吸引する行為
5. 上部消化管検査のために挿入した鼻腔カテーテルから造影剤を注入する行為、当該造影剤の投与が終了した後に鼻腔カテーテルを抜去する行為
6. 医師又は歯科医師が診察した患者について、その医師又は歯科医師の指示を受け、病院又は診療所以外の場所に出張して行う超音波検査

引用元:https://iryou-kinmukankyou.mhlw.go.jp/pdf/outline/pdf/20220215_01.pdf
(都道府県知事宛)(通知)臨床検査技師等に関する法律施行令の一部を改正する政令等の公布についてより

最も大きな変更点は、検査のための静脈路確保いわゆる穿刺が可能となった点です。
これまでは、医師や看護師が穿刺を行っていましたが診療放射線技師だけで造影剤等の検査が可能となりました。これにより、CTやMRI検査の造影剤注入時のスループット(検査効率)の向上が期待されます。すでに大学の診療放射線学科は、法改正に伴い推進されるタスクシフトに対応するためカリキュラムに静脈穿刺を取り入れています(2022年4月以降入学するものは必須)。

下記は、法律改正前の検査の流れと改正後の検査の流れの比較イメージです。

静脈路確保、造影剤の注入、撮像、抜針・止血まですべてを診療放射線技師が行うことができるため、医師、看護師の負担が軽減されることが容易に理解できるかと思います。
しかし、業務範囲が広がったからといってすべての診療放射線技師がその業務を行うことができる訳ではありません。

3.新たな業務を行うための要件とは

都道府県が行う告示研修を受講する必要があります。

告示研修受講対象者(義務)
令和6年(西暦2024年)4月1日前に診療放射線技師の免許を受けた者および同日前に診療放射線技師国家試験に合格した者であって同日以降に診療放射線技師の免許を受けたもの

[告示研修に関する補足]
2015年業務拡大に伴う統一講習会を習熟していることが前提。実技研修は、原則土日。
告示研修修了後、発行される修了証の日付が基準となり、新たな業務を行うことが法律上可能。

引用元:https://iryou-kinmukankyou.mhlw.go.jp/pdf/outline/pdf/20220215_01.pdf
(都道府県知事宛)(通知)臨床検査技師等に関する法律施行令の一部を改正する政令等の公布についてより

この研修は、基礎研修と実技研修で構成されており、全研修の指定最低時間は約18時間です。
その中の実技研修の中で最も多くの時間を占めるのは、静脈路確保に関する研修です。
静脈路確保は、神経損傷などの医療事故に繋がる恐れもある行為です。
その為、告示研修では、シミュレーターを使用し約2時間の研修を行っています。

4. 現状の課題と必要な取り組み

<実技研修の現状>
・限られた時間で感覚感触をつかみ取るのは難しい
・準備等が大変で、練習時間をしっかり確保できない

<業務範囲拡大による処置を現場で実際に行うことに対する声>
・実技研修を受けたからといって、すぐに人に処置を行ってもらう訳にはいかない
・日常業務が多忙すぎて、新たな業務範囲を実施するための指導を行う時間を確保できない
・医療スタッフが充実しているため、診療放射線技師に依頼する必要がない
・法律改正があったばかりで、実施して何か事故があっては困る(リスク回避)

すぐに実行する病院、様子見の病院、やらない方針など病院の対応はさまざまです。

診療放射線技師養成の流れとしては、2022年の4月以降に診療放射線技師の養成校に入学する者はタスクシフトに対応するためカリキュラム(静脈穿刺)は必須となりました。つまり2022年降に入学し2025年に国家試験に合格した者は、今回の法改正に伴い拡大された業務はすべて実施可能ということです。ということは、2024年までに国家試験に合格した者で、告示研修等の必要研修を受講していないものとでは、行うことのできる業務に大きな差が生じるということになります。

これは、今回の改正の目的である医師の業務負担軽減のみならず、診療放射線技師として活躍される上でのキャリアにも大きくかかわってきます。

診療放射線技師を抱える病院側の取り組みによっても、診療放射線技師のキャリアデザインに影響を与えます。また、新型コロナウィルスのような新興感染症等の感染拡大時の人員不足に備えるため今回の改正に力を入れることは、病院側としても必須といえます。

ただ、今まで行ってこなかった業務を行うこと、ましてや人に対し直接行う処置は、リスクが非常に高く、大きな不安を伴います。

そこで大切になってくるのが、その不安やリスクをどれだけ軽減できるかです。

その為に必要なこと、それは限りなく実際に近いかたちで何度も練習を行うことです。

2時間の実技研修で、静脈穿刺に関わる技術をすべて習得できたという方はかなり稀でしょう。
実際、これまで静脈路確保を行ってきた医師・看護師の方は何度も何度も練習を行い、患者様に処置を行ってもいいと判断された方が処置を行っています。

その為に必要となってくるのが、採血練習を行うためのキットです。
その種類はさまざまで、腕の形をしたもの、パット状で腕に装着するもの、電源や水道などが必要なものなど多岐にわたります。

しかしながら、最も現場で必要とされるのは業務の隙間時間で手軽に練習できるものかつ、リアルな感覚感触を併せ持った練習キットです。

それが、『採血練習キットsensitiv®(センシティブ)』です。

⇒ sensitiv®YouTubeチャンネルはこちら

採血練習キットsensitiv®は、看護関係者より看護師が注射練習できるいい教材をつくることはできないかとの切望と熱意に感銘を受け、幾度となく試作を繰り返し発明された商品です。

「リアルな感覚」「準備後片付けが簡単」という、練習側と指導側の両方の要望に応えることができ、2013年の発売以来お客様の声を基に改良を重ね、今では看護協会や市中病院様、看護学校等 さまざまなところでご愛顧いただいております。

今回の法律改正に伴い、診療放射線技師関連の方々からもお問い合わせをいただいております。

大学の研究用や現在静脈穿刺がカリキュラムにない3、4年生に体験していもらうために購入された方もいらっしゃいます。RI(放射線医薬品)投薬は、手作業で行うことが多いので、その練習もできるところがいいなど大変嬉しいお言葉をいただいております。「放射線技師として勤務していた時に自分で静脈路確保を行うことができたら、効率がよかった」としみじみ語られていました。

元々、採血に自信がない、復職を考えているが当時の様に採血できるか不安など看護師の方に向けて開発された商品でしたが、診療放射線技師や救命救急士の方々にも必要とされるようになり嬉しい限りです。

当社といたしましては、ぜひ一度無料レンタルにて当社の採血練習キットsensitiv®をご使用いただき、感覚感触のリアルさ、そして限られた時間で練習ができる簡便さを実感いただければと考えております。(※レンタルは法人様、病院様のみ)
公式ネットショップからのご購入可能です。
営業日14時までのご注文で当日出荷。急な練習にも対応可能◎

どうぞお気軽にお電話または、お問い合わせフォームよりご連絡ください。
電話番号 078-992-1114 平日8:45~17:30 

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